「ウェルネスクラブ オーク21」京都市中京区
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健康は心も身体もバランスよく過ごせること。オーク21で身体を元気満タンにしたら、次は心にサプリメントを注いでみましょう。あなたのライフスタイルがより充実するこんな京都タイムは、いかが?

第3回 小説のヒロイン気分で歩く京の夏

京都は小説の舞台にとりあげられることが多かった地。読者にイマジネーションを高める役割として最適のポイントがたくさんある町なのでしょう。そこで今回の心のサプリメントにヒロイン気分を味わうひとときをご案内します。

『古都』 川端康成 著 『京都より』 林真理子 著

『古都』 川端康成 著

ヒロイン千重子 心のかけらを探して

日本人初ノーベル文学賞受賞作家・川端康成の「古都」は、京都の室町と北山を中心に市内各地で物語は展開していきます。わけあって幼い時に離ればなれになった双子の姉妹が偶然、大人になって祇園祭で出会うところから物語は始まります。室町の呉服問屋で育った千重子と北山杉の里で育った苗子。京都の暮らしぶりなど細やかに描かれ、特に文中で交わされる普段の京ことばはとてもきれいです。
小説の最後に北山で育った苗子が千重子に、室町のくらしなんかあたしにはできやしまへんと話すシーンがあります。当時の室町にはそんなふうにいわれる独特の雰囲気が漂っていたのかもしれません。
ここではそんな室町界隈を訪ねながら、時代の流れのなかで移り変わってゆく町に、千重子の複雑な心のかけらを感じながら歩いてみましょう。よりヒロインに近づくなら、ぜひ着物姿で歩きたいところ。和装ブームのいま、箪笥のなかにしまい込まれた絹の肌触りを楽しむに最適な地としてもおすすめです。


コース内容
姉小路室町⇒(南下して)四条室町⇒(西へ移動して)四条新町⇒(北上して)姉小路新町
●おしゃれ雑貨屋の背景に
〜 町家とマンションの共存共栄〜

千重子が幼なじみの真一に自分は店のべんがら格子の前に捨てられてた捨て子どすといった京都らしい町家は、最近ではレストランや雑貨屋として活用されるようになりました。昨今の室町は平日は商売人たちで賑わい、休日は町家ブームに惹かれた若い人たちで賑わうという風景が見られます。


場所:室町姉小路 南東角

●見上げれば古都!?
〜歴史を物語るものたち〜
千重子が自分の店を振り返り見上げるシーンがあります。
「二階のむしこ窓の前に、古い看板も目についた。その看板には、小さい屋根がついているしにせのしるしのようである。」
とあるように、このあたりを歩くなら、目線を上に向けるとまたさまざまな発見が楽しめます。
疫病よけの鍾馗さん、味わいある看板や電灯。歴史を、暮らしを感じるものたちです。


場所:室町三条上がる(姉小路下がる) 西側
●千恵子は嘆く!?
〜寂しい空き地〜
このあたりはどんどん昔ながらの家屋がなくなり、マンションやビルが目立つ町並みになりました。空き地によって隣接の家が昔ながらのうなぎの寝床であり、蔵が残ることなどがむき出しにされるのも哀しい光景です。


場所:室町六角上がる 東側
●理髪店は角に
〜旦那衆たちの井戸端〜
この界隈の理髪店の多くは通りの角に建つことが多かったとか。
そこでは着物問屋などの旦那衆たちが集まり、情報交換の場にもなっていたようです。人や物が交錯する場所は井戸端会議に最適なのでしょう。
この他にも通りの角に建っている理髪店は多数。探してみて下さい。


場所:室町蛸薬師 南西角


●鉾の収蔵庫めぐり
〜祇園祭が引き合わせた二人〜
祇園祭の宵山、苗子は双子の姉と会えるよう御旅所の神前から少し離れてはまた戻っておがむ、を七度繰り返しその間知り合いに会っても口をきいてはならない七度まいりをし、終えるとそこに居合わした千重子に出会うシーンは最も印象的。京都の夏、室町界隈も祇園祭で賑わいますが、それら各鉾・山はこの収蔵庫で守られています。
収納庫は菊水鉾収蔵庫の他に、四条新町上がる約50m東側に放下鉾収蔵庫、錦新町上がる約50m東側(おたべ店舗の南隣り)に南観音山収蔵庫があります。

足元に注意してみると、各鉾の収蔵庫前に必ずあるものが・・。
それは鉾が建つ位置を示す石4つ。
室町通りや新町通りの道路上にはこんな正方形の石がよく埋め込まれています。夏の暑さでアスファルトが柔らかくなっても10トンを超す鉾を支えられるよう考えられたものです。


場所: 菊水鉾収蔵庫
●京都に路地あり 
〜長屋風の町家がひっそりとたたずむ〜
賑やかな通りを一筋、横に入るとそこには路地での暮らしがひっそりと息づいています。住民の方々の迷惑にならないよう静かに京都の異なる風情を感じてみましょう。


場所:新町錦上がる20m 東側
 
●看板あれこれ
〜表記の文字に注目!〜
京都の各地でもそうですが、このあたりの町名も昔の様子が偲ばれるものが多くあります。新町通りの百足屋(むかでや)町は百足屋という大商人・茶屋四郎次郎が居を構えて住んだことからで、ほかにも烏帽子職人がいたであろう烏帽子屋町や放下鉾のある小結棚(こゆいだな)町、短くて細い通りにある了頓図子(りょうとんずし)町などなどきりがない。
すべて由来がきちんとあるからすごい!


場所:蛸薬師通 室町、新町の真ん中
 
●着物が似合う通り
〜古都に欠かせないアイテム〜
最近は着物ブーム。
このあたりは和装で散策したくなる風情が漂います。紫織庵は江戸時代後期、名医・荻野元凱から、大正15年豪商井上利助氏がモダンな洋間を加え、昭和40年から川ア家が本宅兼迎賓館として使用されていたところで現在は一般公開されています。


場所:新町六角上がる 西側
Data 『古都』
川端康成(日本人初ノーベル文学賞受賞作家) 著
出版社:文春文庫新潮文庫
価格:\400(税別)

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『京都より』 林真理子 著

ヒロイン久仁子 恋する心地で歩く

『京都より』は直木賞受賞作「最終便に間に合えば」の中に納められた短編集の一つ。東京で活躍する30代独身女性編集者・久仁子が、年下の大手繊維メーカー勤務の高志と出会い、京都で逢瀬を重ねていく中での別れまでを、複雑な女性心理として鋭く描いた作品です。
2人は久仁子の希望で高志の地元である京都観光を楽しみます。まず清水寺周辺を歩きながら、京都で暮らすのは毎日が修学旅行みたいだと羨ましげに話す久仁子に、「いや、こんなところにはめったにきませんよ」と苦笑いを浮かべて高志がいうシーン。
京都の人間は観光案内の機会がないと観光地に行かないものです。「いや〜、そんな人の多いとこ、なんで行かなあかんのえ?」と京都人特有のある種自慢的な志向をさりげなくついている著者はさすがです。
ヒロイン久仁子は見るもの、見る場所すべてに感動します。そしてそんな様子に年下の高志の心は高まっていく。。。。
仕事も愛も充実した日々を満喫する久仁子の、最初の逢瀬の地となった清水寺周辺でヒロイン久仁子のように恋する心地で歩いてみませんか。


コース内容
清水寺 ⇒ 門前通り ⇒ 三寧坂 ⇒ 二寧坂 ⇒ 八坂の塔 ⇒ 一年坂 ⇒ 鴨川
●久仁子と高志 逢瀬へのプロローグ
小説では、久仁子は初秋の紅葉に少女のような声をあげて感動する自分を大人の女に戻ってたしなめるシーン。私たちはここの石段に座って、行き交う老若男女、諸外国人からの方言や外国語をぼんやり聞いてみましょう。不思議な空間が漂う一画です。


場所:清水寺正面
●紅葉にはまた
夏の風景はいずれ錦秋へ。それは久仁子が思わず感嘆の声をあげてしまうほどに。


場所:門前通り


●二人並んで歩をすすめた石畳
京都代表?の坂。ここで転けることは御法度!命がけで歩くべし。ここから石畳の坂道が高台寺まで続きます。
久仁子も観光と高志の存在に気分が高揚したはず?!

三寧坂にはに多数見られる昔ながらの陶器もんを扱うお店も、この界隈らしい風情を生み出す一役に。


場所:三寧坂
●だれもがここで写真撮影
久仁子は高志との出会いで記念写真を撮る習慣をつけました。
きっと最初のデートでも撮っていたでしょう。


場所:二寧坂



 
●小窓から眺める京の町並み
京都・東山のシンボリックな塔、八坂の塔は正式には臨済宗法観寺。三層まで上がれます。小説には出てきませんが、この二人は上がって、小さな窓から京都を見渡したような気がするのです。心地よい狭さはポイント。
三層からは西山と京都が見渡せます。夕景が特におすすめ。

3つめの写真は八坂の塔の中心礎石。
継ぎ木なしに1本の柱で五重塔を支えているなんてすごい!と感動すること間違いなし。飛鳥時代と書かれていることにさらに感動。


場所:八坂の塔
●京の坂道を代表する石畳
ちなみに長方形の石畳は京都市電の敷石が再利用されています。京都ならではの活用法。


場所:一年坂
●二人の愛は鴨川で仕上がる
鴨川の河川敷に座る男女は京の風物詩です。橋から遠い位置ほど関係性の濃密度は高まると話す高志を軽くかわす久仁子。しかしここから二人の逢瀬が繰り広げられ。。。鴨川の法則を橋上から眺めてみては?!


場所:鴨川
Data 『京都より』
林真理子 著
直木賞受賞作「最終便に間に合えば」の中に納められた短編集の一つ。
出版社:文春文庫
価格:\360(税込)

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京都市中京区蛸薬師通烏丸東入一蓮社町293 TEL(075)255-1361